USPTO Proposed Revisions to Rules on Patent Term Adjustment

October 9, 2019 – Article

特許期間調整に関する米国特許庁ルールの変更が提案されました

米国の出願審査が特許庁の遅延により極端に遅れた場合、その遅れの日数分だけプラスアルファで特許期間を長くするよう調整されます。一方で、出願人が期限延長を行うなど、自ら遅れの原因を作ってしまった場合、プラスアルファで長くなった日数分から出願人の遅延分が差し引かれることになります。このような特許期間調整(Patent Term Adjustment, PTA)により特許期間が1日でも長くなるとビジネス上大きなメリットとなり得るため、PTAを自ら減らすことのないよう拒絶応答を進めることが大事です。

先週10月4日付のFederal Registerにおいて米国特許庁は、PTAの計算方法に関する特許庁ルールの変更を提案しました。これは、今年1月のSupernus Pharm., Inc. v. Iancu, 913 F.3d 1351 (Fed. Cir. 2019)の判決内容に沿ってルールを変更することを目的としています。

Supernus事件では、出願人の遅延("a failure of the applicant to engage in reasonable efforts to conclude processing or examination of an application")によりPTAが差し引かれる際の日数の数え方が争点になりました。関係するのは37 CFR 1.704(c)(8)で、現行のルールは下記の通りです。

(c) Circumstances that constitute a failure of the applicant to engage in reasonable efforts to conclude processing or examination of an application also include the following circumstances, which will result in the following reduction of the period of adjustment set forth in § 1.703 to the extent that the periods are not overlapping:

(8) Submission of a supplemental reply or other paper, other than a supplemental reply or other paper expressly requested by the examiner, after a reply has been filed, in which case the period of adjustment set forth in § 1.703shall be reduced by the number of days, if any, beginning on the day after the date the initial reply was filed and ending on the date that the supplemental reply or other such paper was filed

上記によれば、supplemental reply(拒絶応答書提出後、特許庁のアクションを待たずに出願人が続けて何かを提出)を行うと、出願人が自ら遅れの原因を作ってしまったとみなされます。何日分遅れになるかについては、"beginning on the day after the date the initial reply was filed and ending on the date that the supplemental reply or other such paper was filed"とあり、応答書提出日の次の日からsupplemental reply提出の日までの日数になります。しかしながら、この期間が全て出願人がもたらした遅延とは言えない状況があり、それがSupernus事件で問題となりました。

Supernus事件では、RCE提出からその後のIDS提出(supplemental reply or other paperの提出とみなされる)までの646日間が出願人の遅延として差し引かれてPTAが計算されました。しかしながら、この646日間のうち最初の546日間は出願人の遅延ではないとSupernusが主張しました。IDS提出したのは欧州での異議申立で提出された文献だったのですが、RCE提出日から異議申立の欧州特許庁通知を受けた日までの546日間はIDSを提出するにもできなかった期間です。それをもって出願人の遅延("a failure of the applicant to engage in reasonable efforts to conclude processing or examination of an application")とみなされるのは妥当ではない、ということでSupernusが勝訴したわけです。

Supernus判決を受けて特許庁は、その内容に沿ってPTA計算を行う旨の通知を5月9日付で出しましたが、今回特許庁ルールをどのように変更するか、37 CFR 1.704(c)(2), (c)(3), (c)(6), (c)(9), (c)(10)について具体的な文言の変更を提案しています。 変更案に対するコメントは今年の12月3日まで提出可能です。

ルールが最終的にどのように変更されるか注目されますが、いずれにせよPTAが重要な分野では、出願人の遅延とみなされないようにsupplemental replyや期限延長など無しに拒絶応答を行うことが重要と考えます。特許期間を長くすることがそれ程重要でない技術分野もありますが、医薬分野等PTAが大事な案件ではSupernus事件にみられるようなIDS提出のタイミングなど注意が必要です。