Follow-On IPR Petitions - Institution Is Not Impossible But Difficult

April 26, 2019 – Article

同一特許に対するIPR申請 ¾審理開始は不可能ではないが難しい

IPR申請を行って審理開始(institution)決定が得られなかった場合、申請者はその決定にて指摘された不備を直して再申請することを検討するかもしれません。しかしながら、Guest-Tek Interactive Entertainment Ltd. v. Nomadix, Inc. (IPR2018-01660)(PTAB April 16, 2019)PTAB判決に見られるように、そのような再申請により審理開始決定を得ることは難しいのが現状です。

Guest-Tekは本件のIPRで米国特許8,725,899 (‘899特許)クレーム1, 10の無効を主張しましたが、その前のIPR2018-00392において同じ‘899特許のクレーム1-20が無効であると主張して申請が却下されています。審理開始が認められなかった理由を検討し、今回はクレーム1, 10に絞り、自明性の文献の組み合わせを変えて、専門家による宣誓書も新たに追加して本件で再チャレンジしたわけですが、審理開始には至りませんでした。

PTABは、再申請の内容に基づき審理を開始するか否か判断する際、下記の7つの要因を考慮しました。その7つの要因は、General Plastic Indus. Co. v. Canon Kabushiki Kaisha (IPR2016-01357)(PTAB Sept. 6, 2017)の判決で出されたもので、考慮すべき点はこの7つに限られるというわけではなく適切な場合には他の要因も考慮に入れるとされています。

1. whether the same petitioner previously filed a petition directed

to the same claims of the same patent;

1.  同一特許の同一クレームに対して同じ当事者が申請書を提出したか

2. whether at the time of filing of the first petition the petitioner

knew of the prior art asserted in the second petition or should

have known of it;

2. 申請者が再申請で使用した従来文献について、最初の申請書提出時点で知っていたか或いは知っているはずべきものだったか

3. whether at the time of filing of the second petition the

petitioner already received the patent owner’s preliminary

response to the first petition or received the Board’s decision on

whether to institute review in the first petition;

3.  再申請書提出時点で、最初の申請に対する特許権者の予備応答或いはPTABの審理開始に関する決定を既に受領していたか

4. the length of time that elapsed between the time the petitioner

learned of the prior art asserted in the second petition and the

filing of the second petition;

4.  申請者が再申請で使用した従来文献を知ってから再申請書を提出するまでの時間の長さ

5. whether the petitioner provides adequate explanation for the

time elapsed between the filings of multiple petitions directed to

the same claims of the same patent;

5.  同一特許の同一クレームに対して複数の申請書を提出する間かかった時間について申請者から適切な説明がなされているか

6. the finite resources of the Board; and

6.  PTABのリソースに限りがある点

7. the requirement under 35 U.S.C. § 316(a)(11) to issue a final

determination not later than 1 year after the date on which the

Director notices institution of review.

7.  35 U.S.C. § 316(a)(11)の規定に基づき、審理開始から1年以内に最終決定を出す必要がある点

要因1-3は、IPR再申請に当てはまることが多い内容です。本件のように同じ当事者が最初のIPR申請で審理開始が得られず再申請を行った場合、要因13を満たします。また、Guest-Tekには要因2も当てはまります。再申請の自明性主張に使用した文献がSlemmer, Cohenであるのに対し、最初のIPR申請ではSlemmer, Vuの組み合わせで、その組み合わせをサポートする証拠として既にCohenを最初のIPR申請書に記載していたため、その時点でCohenを認識していたことを否定できませんでした。

要因45では再申請の時期が関連しますが、かかった時間についてGuest-Tekから特別な事情説明などはなされず、要因67についてPTABは、特に有利にも不利にも働かないと述べました。これらの要因を考慮した結果、再申請に基づく審理開始は却下されました。

Guest-Tekは上記の通り審理開始決定を得ることができなかったわけですが、3度目のチャレンジで審理開始となったケースもあります。Sanofi-Aventis U.S. LLC v. Immunex Corp. (IPR2017-01884)では、米国特許8,679,487(‘487特許)に関して、1回目はクレーム1-172回目はクレーム1-14, 16, 173回目はクレーム1-17が無効であるとの主張をもとにIPR申請がなされました。1回目から2回目までの間が4ヵ月、2回目から3回目の間が3日間で、最初の2回が新規性、3回目は自明性に基づくものです。Guest-Tekの場合と同様にGeneral Plastic 7つの要因をもとに分析がなされましたが、要因13を満たす点は両者共に認めており、争点は要因45でした。

 ‘487特許のクレーム1は下記の通り抗体に関するものです。

1. An isolated human antibody that competes with a reference antibody for binding to human IL-4 interleukin-4 (IL-4) receptor, wherein the light chain of said reference antibody comprises the amino acid sequence of SEQ ID NO:10 and the heavy chain of said reference antibody comprises the amino acid sequence of SEQ ID NO:12.

申請者Sanofiは、クレーム中の”antibody that competes with a reference antibody”という文言を満たすか否か決定する方法が‘487特許明細書中に記載されていないと主張し、対応する欧州の審査過程で特許権者がその分析方法について説明して初めて、IPR申請のための関連する実験を開始することができたと説明しました。また、実験が完了してから8日後にすみやかに3度目のIPR申請を行ったと述べました。

 

PTABGeneral Plasticを引用して、申請者Sanofiは、特許権者の予備応答をロードマップとして使って戦略的に従来技術や議論を段階的に出すようなことをしたように思えない(“Petitioner did not appear to ‘strategically stage [its] prior art and arguments in multiple petitions, using [Patent Owner’s preliminary response] as a roadmap’”)と述べました。また、実験方法については最初のIPR申請時点で争点ではなかったこともあり、複数の申請を行うことになった事情についても妥当であったと判断しました。